ブラッシング指導とは？
ブラッシング指導（TBI：Tooth Brushing Instruction） とは、
歯科医師や歯科衛生士が 正しい歯みがきの方法をわかりやすく教えてくれる指導 のことです。
自分では「しっかり磨けているつもり」でも、実は磨けていない部分が多いことがよくあります。
ブラッシング指導は、その磨き残しを減らし、虫歯や歯周病を予防するために非常に重要です。

ブラッシング指導で行うこと
1. 染め出し（プラークの見える化）
赤い液を歯に塗り、磨き残しを見えるようにします。
→ 自分の“苦手な場所”がわかる！
2. 歯みがき方法の説明
　　歯ブラシの持ち方
　　ペンを持つように軽く握る
　　　→ 力が入りすぎず、歯ぐきを傷つけにくくなります。
　 歯ブラシの当て方
　　毛先を歯と歯ぐきの境目に軽く当てる
　　角度は 45度 が理想
　小刻みに動かす（横磨き）
　　1～2本ずつ
　　「小刻みにやさしく」が大切
　　→ ゴシゴシ強くこすると歯ぐきが下がる原因になります。
　歯の裏側
　　前歯の裏側はブラシを縦にして上下に動かす
　　奥歯の裏は特に磨き残しが多いので丁寧に
　 噛む面（上の平らな部分）
　　ブラシを軽く押し当てて前後に動かす
　デンタルフロス・歯間ブラシを併用
　　歯ブラシだけでは汚れの60％程度しか落ちないと言われています
　　毎日フロスを使うと虫歯・歯周病予防に大きく効果あります
　仕上げにうがい
　　フッ素入り歯みがき粉の場合は「少量の水で1回だけ」がおすすめ
　　→ フッ素が歯に残りやすくなります

3. 歯ブラシ・フロスの選び方アドバイス
ヘッドの大きさ
硬さ
フロス or 歯間ブラシの使い分け
を個人に合わせて提案。
4. 実際に磨いて練習
指導を受けながら自分でも磨いてみます。
→ 体で覚えるので継続しやすい！

どれくらいの頻度で受ければいい？
初回はしっかり
その後は 歯科検診（3か月〜6か月）ごと に見直すのがおすすめです。

メリット
1. 自分に合った磨き方がわかる
歯並びや磨きグセは人によって違うため、プロから個別にアドバイスを受けることで、より効果的に磨けるようになります。
2. 磨き残しが大幅に減る
染め出し液を使うことで、自分では気づかない磨き残しを可視化でき、虫歯や歯周病の予防につながります。
3. 歯ブラシ・フロスなどの正しい使い方が身につく
力の入れ方や角度、フロスの安全な使い方など、自己流ではわかりにくい部分を習得できます。
4. 子ども・高齢者には特に有効
発達途中の子どもや、手先が動かしにくい高齢者にも、適した磨き方を提案してもらえます。
5. 将来の歯科トラブルを予防できる
正しい磨き方が身につくと、
虫歯
歯周病
口臭
などのリスクを大幅に下げられます。

デメリット（注意点）
1. 時間がかかる
最初の指導では、染め出し→説明→練習と時間が必要です。
2. 継続が難しいことがある
正しい磨き方を習っても、日常生活で自己流に戻ってしまう人も多いです。
3. 追加費用がかかる場合がある
保険診療内で行われることが多いですが、医院によっては別途費用になる場合があります。
4. 効果は“実践できるか”に左右される
指導を受けるだけでは効果は十分ではなく、普段の習慣化が重要です。

正しい歯みがきのポイント
● 歯ブラシの持ち方
　ペンを持つように軽く持つ
　力を入れすぎない
●ブラシの当て方
　歯と歯ぐきの境目に45度で当てる
　優しく小刻みに動かす（横磨き）
● 歯の裏側
　前歯の裏はブラシを縦にして上下に動かす
● 噛む面
　軽く押し当て、前後に動かす
● フロス・歯間ブラシ
　歯ブラシだけでは落ちにくい汚れを除去
　毎日1回使用が理想

　みがく順番（例）
　　上の前歯の外側
　　上の奥歯の外側
　　上の内側
　　下の前歯の外側
　　下の奥歯の外側
　　下の内側
　　噛む面
　　フロス・歯間ブラシ

　よくある注意点
　強く磨くと歯ぐきが下がる原因になります
　歯ブラシの交換目安は1か月程度
　磨く時間は3〜5分を目安に

　おすすめアイテム
　ヘッドが小さめの歯ブラシ（例：タフト24、クリニカアドバンテージ）
　やわらかめ〜ふつうの毛（歯ぐきが弱い方はやわらかめ）
　デンタルフロス
　ワックスあり（初心者向け、通しやすい）
　ワックスなし（慣れた方向け、汚れを絡めやすい）
　ホルダータイプ（子ども・不器用な方に）
　例：リーチデンタルフロス、クリニカフロス
　歯間ブラシ
　サイズは歯科医院で確認
　例：DENT.EX 歯間ブラシ、サンスターGUM歯間ブラシ
　

　毎日のセルフチェック
　□ 強く磨きすぎていない
　□ 歯ぐきのキワまで磨けている
　□ フロスを使った
　□ 磨き残しの癖を意識した