2026年2月18日

口腔内スキャナーとは、専用の小型カメラを用いてお口の中を撮影し、歯や歯ぐきの形を三次元データとして記録する装置です。従来の印象採得では、シリコンやアルジネートといった印象材をトレーに盛り、お口の中に入れて固まるまで待つ必要がありました。しかし、嘔吐反射が強い方や長時間お口を開けることが難しい方にとっては負担が大きい方法でした。
口腔内スキャナーは、光学的に連続撮影を行い、そのデータをコンピュータ上で立体画像として再構築します。リアルタイムでモニターに歯列が表示されるため、細かい部分まで確認しながらスキャンを進めることができます。不十分な部分があれば、その場で追加撮影が可能な点も大きな利点です。
現在、世界的に広く使用されている機器には、デンマークの 3Shape が開発した「TRIOS」や、アメリカの Align Technology が提供する「iTero」、そして Dentsply Sirona の「Primescan」などがあります。これらは高精度で、補綴治療や矯正治療、インプラント治療など幅広い分野で活用されています。
デジタル印象の最大のメリットは、患者さまの快適性向上と精度の高さです。材料特有の圧迫感や不快感がなく、短時間で終了することが多いため、治療ストレスが軽減されます。また、取得したデータはそのまま技工所へオンライン送信でき、CAD/CAMシステムと連携することで、セラミッククラウンやインレーの製作を効率的に行えます。
さらに、データは長期保存が可能なため、経過観察や再製作時にも活用できます。従来の石膏模型と異なり、破損や劣化の心配が少ない点も特徴です。
このように、口腔内スキャナーは歯科医療のデジタル化を支える重要な技術です。精密で快適な治療を実現するため、今後ますます標準的な印象方法として普及していくことが期待されています。
口腔内スキャナーのメリット
不快感が少ない
材料をお口いっぱいに入れる必要がありません。
精度が高い
拡大表示が可能で、細部まで確認できます。
データ保存が可能
デジタルデータとして保存できるため、再製作や経過比較が容易です。
治療時間の短縮
データを即時に技工所へ送信でき、補綴物の製作がスムーズです。
どんな治療に使われる?
・セラミッククラウン
・インレー(詰め物)
・インプラント上部構造
・マウスピース矯正
・ナイトガード
特にマウスピース矯正では、デジタルシミュレーションにより治療後の歯並びを事前に確認できるため、患者さまの理解と安心感が高まります。
従来印象との比較
項目 従来印象 口腔内スキャナー
不快感 やや強い 少ない
精度 良好 非常に高い
データ保存 石膏模型 デジタル保存
修正 再印象が必要 追加スキャン可能
まとめ
口腔内スキャナーは、患者さまの快適性と治療精度を両立する最新技術です。デジタル化が進む現代歯科において、今後ますます標準的な印象方法となっていくでしょう。
医院選びの際には、「光学印象対応かどうか」も一つの目安になります。
より快適で精密な治療をご希望の方は、口腔内スキャナーを導入している歯科医院へご相談されることをおすすめします。