2026年3月18日

歯科治療において欠かせない検査のひとつが「デンタル撮影(口内法X線撮影)」です。これは、小さなフィルムやデジタルセンサーを口の中に入れて撮影する方法で、1本から数本の歯を高精細に確認できるのが特徴です。肉眼では見えない歯の内部や骨の状態を把握するため、正確な診断と適切な治療計画の立案に大きく役立ちます。
デンタル撮影が特に有効なのは、歯と歯の間にできる初期のむし歯の発見です。これらは目視では確認しづらく、進行してから症状が出ることも少なくありません。また、歯の根の先に膿がたまる「根尖病変」や、歯周病による顎の骨の吸収状態の評価にも重要な役割を果たします。さらに、詰め物や被せ物が適切に装着されているか、隙間ができていないかといったチェックにも用いられます。
根管治療においては、デンタル撮影は特に重要です。治療前の診断だけでなく、治療中に器具が根の先まで届いているかの確認や、最終的な充填状態の評価など、複数回にわたって使用されます。これにより、治療の精度を高め、再発のリスクを抑えることができます。
撮影時間は数秒程度と短く、患者さまの負担は比較的少ない検査です。近年ではデジタル化が進み、従来よりも被ばく量が大幅に低減されている点も安心材料のひとつです。ただし、センサーを口の中に入れる際に違和感を覚えたり、嘔吐反射が出やすい方にとってはややつらく感じる場合もあります。そのような場合には、無理のない姿勢や撮影方法を工夫することで対応可能です。
デンタル撮影とよく比較されるものにパノラマ撮影があります。パノラマ撮影はお口全体を一度に確認できる一方で、細部の精度はデンタル撮影に劣ります。そのため、全体の状態把握にはパノラマ撮影、特定の歯を詳しく調べる際にはデンタル撮影と、目的に応じて使い分けることが大切です。
このように、デンタル撮影は見えない部分を「見える化」することで、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療を可能にする重要な検査です。症状がなくても定期的に検査を行うことで、お口の健康を長く維持することにつながります。正確な診断のためにも、歯科医院でのレントゲン検査を上手に活用していきましょう。
■ 主な用途
デンタル撮影は以下のような診断に用いられます。
むし歯(特に歯と歯の間の初期むし歯)
根の先の病変(根尖病変)
歯周病による骨の吸収状態
詰め物・被せ物の適合状態
根管治療中の確認(治療の進行チェック)
■ メリット
高精細で細部まで確認できる
必要な部位だけ撮影できるため効率的
撮影時間が短い(数秒程度)
被ばく量が少ない
■ 撮影の流れ
小さなフィルム(またはデジタルセンサー)を口の中に設置
撮影位置を調整
数秒で撮影完了
※撮影時に少し圧迫感や違和感を感じることがありますが、痛みはほとんどありません。
■ 注意点
センサーが当たって「オエッ」となりやすい方もいる
小さなお子様や嘔吐反射が強い方は配慮が必要