2026年1月21日

歯の破折とは
歯の破折とは、歯に強い力が加わることで歯の一部が欠ける、ヒビが入る、あるいは完全に割れてしまう状態を指します。破折は見た目にすぐ分かるものだけでなく、肉眼では確認できない細かなヒビ(クラック)として起こることも多く、症状が分かりにくい点が特徴です。そのため、気づかないうちに進行し、重篤な状態になるケースも少なくありません。
歯の破折の種類と特徴
歯の破折は、損傷の深さや部位によっていくつかに分類されます。
まずエナメル質のみの破折は、歯の表面がわずかに欠けた状態で、痛みがほとんどないことが多く、研磨やレジン修復で対応できます。しかし、放置すると欠けた部分から虫歯が進行する可能性があります。
次に象牙質まで達する破折では、冷たいものや甘いものでしみる症状が出やすくなります。歯の強度も低下するため、レジン修復だけでなく、インレーやクラウンによる補強が必要になる場合があります。
歯髄(神経)まで達する破折では、強い痛みやズキズキとした自発痛が生じ、細菌感染のリスクが高まります。この場合は根管治療を行い、その後クラウンで歯全体を保護する治療が一般的です。
さらに重度なのが歯根破折です。歯の根が縦または横に割れている状態で、噛むと痛む、歯ぐきが腫れる、膿が出るといった症状が現れます。歯根破折は保存が難しく、残念ながら抜歯に至るケースが多くなります。
また、近年増えているのが**クラックトゥース(ひび割れ歯)**です。歯に細いヒビが入った状態で、レントゲンにも写りにくく、診断が難しいのが特徴です。噛んだ時だけ一瞬痛むなど、断続的な症状が見られます。早期発見できれば、被せ物によって歯を残せる可能性があります。
歯が破折する主な原因
歯の破折の大きな原因として挙げられるのが、歯ぎしり・食いしばりです。就寝中や無意識の食いしばりによる強い力は、想像以上に歯へ負担をかけています。また、氷やナッツ、骨などの硬い物を噛む習慣も破折リスクを高めます。
さらに、虫歯で歯質が弱くなっている歯や、神経を取った歯(失活歯)は水分量が減少し、もろくなっているため、破折しやすい状態です。転倒やスポーツによる外傷も原因の一つです。
歯の破折を放置すると
歯の破折を放置すると、ヒビや割れ目から細菌が侵入し、虫歯や歯周病、根尖病変へと進行する可能性があります。初期は違和感程度でも、やがて強い痛みや腫れを引き起こし、最終的に歯を保存できず抜歯が必要になることもあります。
治療方法の考え方
歯の破折治療では、「どこまで割れているか」「歯を支える骨や歯根の状態」「噛み合わせの力」を総合的に判断します。軽度であれば修復治療で対応できますが、破折が深い場合は被せ物で歯全体を覆い、再破折を防ぐことが重要です。歯根破折の場合は、抜歯後にインプラント、ブリッジ、義歯などの選択肢を検討します。 治療方法の選択
軽度:レジン修復
中等度:インレー・クラウン
重度:根管治療+クラウン
歯根破折:抜歯 → インプラント・ブリッジ・義歯
予防が最も重要
歯の破折は、予防が非常に重要です。歯ぎしりや食いしばりがある方は、ナイトガード(マウスピース)の使用が有効です。また、神経を取った歯は早めに被せ物を装着し、定期検診で噛み合わせや歯の状態をチェックすることが、歯を長く守ることにつながります。