天神HIT歯科の1DAYトリートメントで扱うセラミック材料のご案内です。VITA マーク2は、長年にわたり歯科臨床で利用されてきた CAD/CAM 用フェルドスパーセラミック（長石系セラミック） を代表する材料であり、審美性と加工性を最大の特徴としています。特に審美補綴を重視する日本の臨床現場において、その自然な質感と色調再現性の高さから高い評価を受けています。

まず最大の利点として挙げられるのが、天然歯に近い透明感や色調の再現性です。長石系セラミックはガラス相を多く含むため、光の透過性が高く、エナメル質の自然な輝きを模倣することができます。これにより、前歯部の単冠修復において非常に自然な仕上がりを実現し、周囲の歯との調和を取りやすくなります。審美性を強く求める患者に対しても満足度の高い結果を提供できます。

次に重要な利点として、加工性（ミリング性）が優れている点が挙げられます。VITA マーク2は均質な微細構造を持っているため、CAD/CAMシステムでの削り出しが滑らかで、マージン部の精度も高く仕上がります。これにより、チェアサイドで迅速に修復物を完成させることが可能となり、即日修復を行う際の信頼性にもつながります。また、微細構造によってミリング工具の摩耗が少ないため、コストや作業効率の面でもメリットがあります。

さらに、**天然歯に近い硬さ（弾性率）**を持つ点も重要です。ジルコニアなどの高強度セラミックは硬度が高く、咬合時に対合歯を摩耗させるリスクがありますが、VITA マーク2はエナメル質に近い性質を有するため、対合歯に優しい材料といえます。これにより、咬合環境においてもバランスが良く長期的に安定しやすいという利点があります。

また、修復手技が比較的容易で、接着操作によって十分な強度を確保できることも魅力のひとつです。長石系セラミックは化学的エッチングが可能で、シラン処理との併用で接着強度を高めることができます。これにより、薄いレイヤーでも十分な耐久性を発揮し、低侵襲治療の実現にも寄与します。歯質削合量を最小限に抑えながら審美補綴を行いたい場合にも適していると言えるでしょう。

適応症としては、前歯部単冠、インレー、オンレー、ベニアなどが挙げられます。特にベニア修復では、薄くても自然な透過性が得られるため、審美性と機能性の両立がしやすい材料です。ただし、高強度を必要とする長いブリッジや臼歯部での咬合力が強い症例には、より高強度のセラミックを選択する必要があります。

総合すると、VITA マーク2は 「自然な審美性」「加工性の良さ」「対合歯への優しさ」「接着による機械的信頼性」 を兼ね備えたバランスの良いセラミック材料です。特に日本の臨床現場において重視される自然な見た目と最小侵襲治療の両方を実現できる点が、1DAYトリートメントで用いる大きな利点であります。院長の中村はスイスのチューリッヒ大学にてセラミックの研鑽を深めセラミックのCERTIFICATEを取得しており、実際にドイツ国内のVITA本社にてVITAマーク2が作られる工程を含め理解を深めております。セラミックの削り方・合着するセメント・セラミックの質どれをとっても世界標準でベストなクオリティーでの治療のお応えができますのでどうぞよろしくお願いいたします。